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いつからアイドルは会えるようになったのか

アイドルに「会える」とは何か。江戸の茶屋、テレビ、AKB48の劇場、オンラインの交流を比較し、日本と世界のアイドル史を21回でたどります。

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48人のアーティストART48

あなたの中に、どの世界の見方がある?

12の質問で、美術・音楽・科学・哲学を横断する3人に出会う。約3分。

いつからアイドルは会えるようになったのか

「会える」は一つの体験ではない

ライブの客席から姿を見る。短い時間だけ話す。配信でコメントを読まれる。以前の会話を覚えてもらう。同じ「会える」でも、相手との関係は違う。アイドル史をたどるには、誰が最初に握手をしたかだけでなく、どの近さが、誰に、どのくらい開かれたかを考える必要がある。

この連載では、現代の芸能産業でアイドルと呼ばれる人と、その言葉が成立する前の人気者を分ける。後者は比較対象であり、現代へ直結する祖先だと決めつけない。女性を中心に扱いながら、男性のスターや女性ファンの存在も視野に入れる。

江戸の茶屋と、複製される顔

メトロポリタン美術館が所蔵する歌麿の《難波屋おきた》は、1793年頃の茶屋の女性を描く。おきたは複数の絵師に取り上げられた人気者だった。本人がいる店と、店の外へ流通する画像。その組み合わせは、テレビ以前にも人物の名声が広がったことを示す。

ここから「画像で知って、場所へ行く」という構造を比較できる。ただし茶屋の客と現代のファンは同じ社会関係ではない。寛政三美人を、芸能事務所が結成したグループのように扱うこともできない。

AKB48が制度にした近さ

AKB48の公式年代記には、2005年12月8日の劇場初公演が記録されている。大きな会場で一度見る体験に加え、繰り返し通える拠点がつくられた。劇場の開幕と、後年の総選挙などは、それぞれ異なる時点の出来事として読む。

研究者・野澤俊介の論考は、握手会を親密さと経済交換、運営労働の関係から捉える。出会いは演者の愛想だけで成立しない。時間、列、参加券、スタッフが接触を支える。AKB48が接触型の芸能を初めて発明したという説明ではなく、近さを大規模に組織した事例として見るのが適切だ。

会えない時間にも関係が続く

NACKの考察は、アイドル史を「憧れの相手との距離を設計する歴史」として読むことだ。身体の距離、返事の有無、見る頻度、参加できる範囲を分ければ、劇場とスマートフォンを単なる新旧で比べずに済む。

近さは魅力にも、働く人の負担にもなる。誰が会う条件を決め、誰が断れるのか。それまで含めて考えると、音楽、衣装、写真、事務所、景気が一つの問いにつながる。

全21回の道筋

01〜07は現代と世界の比較、08はBABYMETALのライブと海外展開、09〜12はAKB48から1960〜70年代へ、13〜19はインド映画、宝塚、パリ、19世紀、江戸、中世、古代へ進む。20・21は衣装・音楽・グラビアと、事務所・ファン・経済を横断する。年代を遡りながら、異なる地域の歴史も並べて読む構成だ。

参考資料

アイドル史を続けて読む

NACK Journal「いつからアイドルは会えるようになったのか」第1回/全21回。史料に基づく事実と編集上の考察を分け、日本史・世界史・表現・産業を比較する事例調査です。サムネイルはテーマを象徴する創作画像です。

EDITORIAL PROFILE

田村 祐大

NACK / 企画・編集

運営者
田村 祐大
学歴
京都芸術大学芸術学部卒業
活動
NACKの運営、Journal / Timesの企画・編集

岡山県出身、京都在住。暗号資産・Web3領域のプロダクトデザインに約7年間携わった後、NACKを始動。

アートを入口に、文化・経済・社会・テクノロジーの関係を読み解くNACK Journal / Timesを企画・編集している。

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